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「………」
『なに? 別に迷惑はかけないから大丈夫だよ』
なんとトイレについて来た少年はそのまま電車にも乗ってきた。
てっきりここで亡くなった地縛霊かと思っていたが…まぁいいや。
駅から電車で二駅乗ると、商店街がある。
ここは昔から母さんと来ていたので、どこに何があるのか覚えている。
『ねえ、何買いに行くの?』
少年…優斗君がそう尋ねてきた。
一応トイレで事故紹介されたので名前と死因くらいは知っている。
曰く彼は十年以上前にホームに突き落とされて亡くなったのだとか。
その後は地縛霊として生きて(?)いたらしい。
そんな事故があったなんて俺は知らなかったんだけどな。
別の場所と勘違いしていないだろうか?
「そうだな 割と遅くなったし惣菜だけ買ってあとはご飯でいいかな」
部活が終わってから帰宅して、色々あったので今の時間はすでに七時を過ぎている。
色々ありすぎて疲れたので、楽をしてもいいはずだ。
…それに家族を弔いたいし、何か買って行こうか。
あー、仏壇って俺の有り金で買えるのか?
『お兄さん、肉ばっかり選んでるけど野菜は?』
優斗が俺の持っているかごの中を見てそう問いかける。
かごの中は八宝菜とローストビーフと肉野菜炒め…いや、野菜入ってるじゃん。
つか享年はともかく幽霊になってからの年齢足したら俺の方が下だからな?
『そこのサラダ30%引きだから買いなよ あ、あそこのソーセージも安いよ?』
「…幽霊のくせに所帯じみてないか?」
どうやっているのか知らないが、俺のかごの中にどんどん商品が入ってくる。
ポルターガイスト?
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