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『なぁおっさん…なんで俺死んだんだ…?』
あの写真が合成写真である可能性は考えられなかった。
そうでなければ俺がこんなところにいる理由が思い浮かばなかったからだ。
あれが事故だとは思えない…俺殺されたんだよな?
『…俺誰かに恨まれてたのか? 母さんじゃないなら…母さん!? そうだ!母さんはどうなったんだよ!? 大丈夫なんだよな!? そう言ってくれよ!!』
再びおっさんに掴みかかる。おっさんはそれを振りほどくことなく、どこか申し訳なさそうな顔で…
『死んだよ… 君も、君のお母さんも君のお父さんも…君の弟も…『うそ…死んだ…父さんも母さんも夏樹も…あ、あはは…』晴君?』
なんで…嘘だろ?
いつもだらだらしている俺を優しく叱ってくれる母さんに…仕事熱心な父さん…ガキっぽくてもいつも一生懸命な夏が…死んだ…?
『気を強く持ってくれ…『うるさい!! 家族が死んでるんだぞ…? そ、そうだ! 俺の写真があったんだから家族のもあるんだよな?』……見ない方が良い』
『…いいから貸してくれ』
渋るおっさんに頼みこむ。
おっさんはさっき同様三枚の写真を取り出し、俺に渡す。
内容は…俺よりはマシであったが、ひどい惨状だった。
ああ、俺の一家全滅か…。
はぁ…爺ちゃん婆ちゃんごめん…。
『(あまり動じてないのか? さっきまでひどく取り乱していたのに)気が進まないだろうが儂の話を聞いてくれないか?』
『それは…俺がここにいる理由と関係あるのか?』
俺の言葉におっさんは頷く。
やっぱりな…。家族が見当たらない時点でなんとなく予想はしていた。
『こほん… 君が一人でここにいる理由は簡単だ 君は最後まで生を諦めなかったからだ』
『どういうことだ?』
俺の質問に即座におっさんは答える。
『君は…あんなことになりながらも…死んでなお生きることを諦めなかったんだよ』
それと俺がここにいることとどう関係があるのか、それを問いただそうとした俺だったが、その前におっさんが手を俺の口の前に向ける。
『それも今から説明する… まぁ、君を殺したのは誰なのかは教えられないけれどね』
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