あくまでもかいそう

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分かり切ったことを聞くおっさんに俺は大きく頷く。 それを見たおっさんは苦笑いする。 『…ま、そうだよね いいよ 儂が元に戻してあげる』 驚きの発言。 え、できるの? おっさんは俺の表情を見たのか優しく頷く。 生き返れる…!! やった!! 『君がここにいる理由…ま、さっきからずっと言っているけれど 死んであの世に行くはずの君の魂が逆らってここに迷い込んだんだよ』 『・・・・』 『強い自我を持った魂はいるけれど、そう言った連中はそのまま現世に入って幽霊になるんだ でも君はそうじゃなかった』 『どういうことなんだ?』 なんか今凄いこと言っていたような… 『君がここに来たお蔭で神に特例を認められたんだ 君の事情を考慮して転生じゃなくそのまま生き返らせてあげろってね』 『あ、ありがとうございます…神様、おっさん』 『おっさん…まぁいいけど ただ君が死んだという事実だけをなかったことにすることはできないんだ』 『どういうことだ?』 俺を生き返らせてくれるだけでも非常に大変なことなのだろうとは理解している。 もしかしてバタフライ・エフェクト的な何かだろうか? 『恐らく…君の家族の存在した記憶は周りから消されるよ?』 『は? そ、そんなことしたら俺がいること自体おかしくなるだろ!?』 家族がいないのに俺だけが突然生まれてきたみたいなことになるぞ? まぁそう言う余波と思えば…爺ちゃん婆ちゃんごめん!! それでも俺は敵を討ちたいんだ! ・・・あ 『そういえばさっき俺を殺した奴を教えないって言ったけど、ヒントもないのか?』 おっさんからすれば生き返らせた奴に殺させるのは心証が悪かろうと勝手に思っておく。 俺の言葉におっさんは少し考え込むと… 『…じゃあ君が儂等の仕事を手伝えば教えてやろう』 仕事…? 悪魔に生贄を渡せと? それはどうなんだろう? いや、未だにおっさんが悪魔だと信じられないけどさ。 『別にそんなことは頼まないぞ まあ単なる実験体だな 言葉は悪いけど』 おっさんはそこでニヤリとした笑顔をする。 うわぁ…嫌な響き。 まぁ逆らっても得はないんだけどさ。
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