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『あ、いや 大したことではないよ むしろいいことだと儂は思うぞ?』
俺の表情を見ておっさんは急に慌てだす。
いいこと…?
『ああ、君にやってほしいことは霊になった魂をいくらか成仏させてほしいんだ それも君と同じような境遇のね』
『それ…悪霊か何かじゃねえのか?』
少なくとも俺はそうなってたかもしれないしな。
ま、ぶっちゃけ死んだことが実感できないからどうなったかなんてわからないけど
おっさんは俺の問いを聞いたのかどうか分からないが、そのまま話を続ける。
『君の体は生き返るけれど魂は今のままだからね 云わば幽霊が空いた体に取りついているようなものだから、同族は見えるようになるよ』
『そうなのか… よくわからんが見えるんだな』
俺は怖い話を信じるタイプではあるが、そこまで怖がりではないからな。
まぁ成仏させるだけならそこまで………俺と同じ?
『なぁおっさん………成仏させるって……』
まさか俺に犯罪の片棒を担げと?
そんな言葉を込めつつおっさんに尋ねる。
おっさんは首を横に振る。
ほっ…いや、安心するのはおかしいか。
『まぁその点は君が生き返ってから伝えるよ じゃ、早速横になって』
『え? いや、今聞き逃せない発言があったんだが?』
しかしおっさんは俺の言葉をスルーし、横になれというジェスチャーをする。
…仕方ない。さっさとするか。
三度目の白い床(?)…
なんだろうかこの材質。
冷たくもないし暖かくもないし固くもないし柔らかくもない…
そんな床の感触を感じていると、横でおっさんがよく分からない言葉を呟いている。
…俺自身本当に生き返れるとは思っていない。
おっさんは悪魔らしいし、きっとこれから俺は夢と幻想の中で生きるのだろう。
それでも俺は・・・・・・・・・
「俺を…俺達を殺した奴に復讐してやる!」
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