第一章 ようこそ、ホームセンターへ。炎上上等。

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だいたいが、社訓を唱和させる自体、ブラックなんだよ。 時代遅れか。  朝礼終了とともに、早速電話が鳴り響く。 私の戦いの火蓋が切って落とされる。 暗たんとした気持ちで受話器をあげる。 「お電話ありがとうございます。ナイス 菅井店 水戸がお受けいたします。」 「もしもし、お宅の店で買った湯たんぽね、すぐ冷めるんよ。」 「恐れ入ります、だいたいどれくらいのお時間で冷めますでしょうか?」 「わしゃね、6時には布団に入るんだけどね。朝になったらもう冷めとるんよ。」 「・・・・・朝は何時に、ご起床になられますか?」 「朝は6時に起きるよ。」 私はめまいがした。 だいたい湯たんぽ、夕方6時に寝ること、想定して作ってないよね。 12時間も持つ魔法の湯たんぽ、あったら欲しいわ。 おじいちゃん、これ何の冗談かな? だいたいこういうくだらない電話で一日が始まるのだ。
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