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私はアッガイもどきの視界の悪さのため、主任に手を引かれ 正面玄関で、お客様をお出迎えすることになった。
「いらっしゃいませ!」
一斉の挨拶と共に、私もペコリとアッガイもどきのまま礼をする。
お客さんの反応は微妙だった。
というのも、たぶんご年配の人ばかりだったので、 この不思議な着ぐるみが
何なのかを理解できないのだ。 これが何かわかる世代の人の反応も微妙だった。
苦笑い、失笑。だからやりたくなかったんだ。
オタクっぽい男性から「アッガイ?」と言われた。
私は嬉々として、飛び跳ねて見せた。
「何でアッガイ?ザクじゃないの?」
男性は半笑いで言う。
「ザクとは違うのだよ、ザクとは。」
私が言うと男性はゲラゲラ笑った。
「すみませんね、お客様~。バカ、余計なこと言うなよ。」
主任に頭をはたかれてしまった。
「げー、なにこれ!だっせえ!ちょーだっせえ、この着ぐるみー!」
小学生のクソガキが、私の足を蹴ってきた。
私は、ムカついたので、アッガイの中指と思われる指を立ててやった。
「やめろ、アホ!」 また主任にはたかれる。
「バーカバーカ、ざまあみろ。」
クソガキにはやし立てられ、私はアッガイもどきの中で歯軋りをした。
一時撤退し、またお昼からの丸太切りイベントに私は借り出された。
お客様に丸太切りで、タイムを競ってもらい、優勝者には賞品をお渡しするというイベントだ。
炎天下の中、そのイベントはテントの中で行われた。
私、アッガイもどき「ナイスちゃん」はお客様の応援要員だ。
私は十分クールダウンと、水分補給をしていたのだけど、暑さで私は参ってきた。 応援のダンスをしながらも、気ぐるみの中は滝のような汗が流れ
ついに私は吐き気を催してきた。
ダメだ、こんな物の中で吐いたら。 ヤバイって。
でも、どうにももう我慢できない。
気がついたら私は、通気穴のアッガイの口の部分から嘔吐した。
会場は大惨事だった。
「ギャー、アッガイが吐いた!」
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