21 最後の扉

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「手ぶらで乗り込むのは、さすがに心細いだろうからな」 「あ……うん。ありがとう」  確かに、最後の扉ということは、もしかしたら、ものすごい数の餓鬼がうじゃうじゃ出てくるかもしれない。  九鬼をやっつける役には立たないかもしれないが、これを持っているのといないのとじゃ、安心感がぜんぜん違う。  オレは素直に感謝して受け取った。  伊波が入口のドアに手をかけると、それは何の抵抗もなく開いた。 「……」  オレたちは顔を見合わせたが、慧のことを考えると、これが罠だったとしても迷ってはいられない。オレたちはそのまま別荘に飛びんだ。
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