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「手ぶらで乗り込むのは、さすがに心細いだろうからな」
「あ……うん。ありがとう」
確かに、最後の扉ということは、もしかしたら、ものすごい数の餓鬼がうじゃうじゃ出てくるかもしれない。
九鬼をやっつける役には立たないかもしれないが、これを持っているのといないのとじゃ、安心感がぜんぜん違う。
オレは素直に感謝して受け取った。
伊波が入口のドアに手をかけると、それは何の抵抗もなく開いた。
「……」
オレたちは顔を見合わせたが、慧のことを考えると、これが罠だったとしても迷ってはいられない。オレたちはそのまま別荘に飛びんだ。
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