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「まず君は、そういう妙なプライドというか、貴族だから平民より上とかいう考えを捨てた方がいいな。
外国人にしてもそうだ。
やれウォロス人は鬼畜だとか、マルス人は奴隷だとか、そういうのは俺は好かん。
大体昔から、そういう馬鹿な考えが争いごとを生む。
あるいは争いごとがあるからそういう考えをするのかも知れんが」
そこへハルツが珈琲を持ってきた。
「お、ありがとう」
フェイスはそう言って珈琲を受け取り、ファルガにも勧めた。
ゴルチェでは珈琲はまだそれほど普及していないが、ファートン教授が好きで、研究室にも置かれている。
フェイスは牛乳と砂糖を入れて飲む。
「珈琲ですか、珍しい」
ファルガはそう言って、砂糖も牛乳も入れずに珈琲を啜った。
「苦いだろうに、平気なのか」
「慣れると平気です。
たまに、アルアンス珈琲店で飲むので」
最近ロキア市内にできた珈琲店である。
ここ十年程でちらほらできてきた珈琲店の一つで、なかなかの人気だ。
流行りものに興味がないフェイスでも知っていた。
「さて、仕事だな。
君は大学は出ているのかね?」
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