第1章

4/14
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
スノーでブルーだなんて、寒々しい名前だって思うかしら?ブルーマン家に生まれたんだから、ファミリーネームは仕方がないとしても、スノーラントって付けたのは両親よ。でもね、生まれた時、真っ白な肌をしていて、まるで雪で作った人形みたいだったんですって。スノーラントっていうのは、雪舞姫なんだって昔教えてもらった。寒々しい名前だとしても、なんだか白雪姫みたいで私は気に入ってる。 コンコン 「スノラ、入るわよ。」 ドアを開けて入って来たのはお母さん。毎日、時間は決まってないけど、午後に1時間は来てくれてる。お互いに今日あった事を話して、笑い合う。お母さんは洗濯物を片付けたり、花を活けたり、果物を剥いてくれたり。そして、面会時間が終わると、私に必ず一言聞く。 「何か欲しいものはある?」 私はいつも少しだけわがままを言う。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!