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杉田はニヤつく。
杉田「何だ。寂しいのか?」
正矢「ちげーよ」
杉田はパソコンを高速で打つ。
杉田「ブレーンストーミングみたいなものだ」
正矢「ブ、ブレ?」
杉田は溜め息をつく。
杉田「“ブレーンストーミング”。入試前に言われなかったか?最近はそれを採用した入試もあると・・・」
正矢「言われたような。言われなかったような」
杉田が初めて正矢を可哀想な目で見た。
杉田「辞書でも引け。まあ、私達がしているのは、そんな大層なモノではない。世界の問題や事象について意見や解決策を駄弁っている」
正矢は曖昧に頷く。
正矢「例えば?」
杉田「色々あるが、私がしているのは、北村の腕についての考察だ」
正矢がガッと立ち上がり、呆れたように杉田は息を吐く。
杉田「落ち着け、直接的なモノではない。あくまで連想した内容で、だ」
正矢「そうか・・・」
正矢は安心して座る。
正矢「心臓に悪いこと言うなよ。じゃあ、具体的には?」
杉田「北村の腕だが、あれは癌の性質に近い」
正矢「えっ?それって・・・」
杉田は溜め息をつく。
杉田「今は安定して害はない。そうだろ?」
正矢「そうだったな・・・」
いちいち心臓に悪いことを言うな・・・正矢は椅子にもたれる。
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