第1章

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 杉田はニヤつく。 杉田「何だ。寂しいのか?」 正矢「ちげーよ」  杉田はパソコンを高速で打つ。 杉田「ブレーンストーミングみたいなものだ」 正矢「ブ、ブレ?」  杉田は溜め息をつく。 杉田「“ブレーンストーミング”。入試前に言われなかったか?最近はそれを採用した入試もあると・・・」 正矢「言われたような。言われなかったような」  杉田が初めて正矢を可哀想な目で見た。 杉田「辞書でも引け。まあ、私達がしているのは、そんな大層なモノではない。世界の問題や事象について意見や解決策を駄弁っている」  正矢は曖昧に頷く。 正矢「例えば?」 杉田「色々あるが、私がしているのは、北村の腕についての考察だ」  正矢がガッと立ち上がり、呆れたように杉田は息を吐く。 杉田「落ち着け、直接的なモノではない。あくまで連想した内容で、だ」 正矢「そうか・・・」  正矢は安心して座る。 正矢「心臓に悪いこと言うなよ。じゃあ、具体的には?」 杉田「北村の腕だが、あれは癌の性質に近い」 正矢「えっ?それって・・・」  杉田は溜め息をつく。 杉田「今は安定して害はない。そうだろ?」 正矢「そうだったな・・・」  いちいち心臓に悪いことを言うな・・・正矢は椅子にもたれる。
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