第1章

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杉田「だが、あれ自体はかなり興味深いもの。私は、北村の腕が起こした変質を・・・生かせないかと模索しているんだ」 正矢「ふーん。何か出来るのか?」 杉田「さあ?」  正矢は呆れた顔をする。 正矢「さあって・・・・・・」 杉田「私達はあくまで“きっかけ(ヒント)”を言い合っているんだ。答えや結果を導く人間がいずれ現れると信じてな」 正矢「たわいない話だな」  杉田はパソコンのキーボードから手を離す。 杉田「人間には70億の可能性と未確定の未来がある。楽しい話じゃないか・・・さて、そろそろ教員しか居ないだろうから、私も帰・・・」  杉田が立とうとしたら、パソコンから音が鳴る。彼は浮かした腰を下ろす。 杉田「むっ?メールか・・・」  杉田はメールの内容を確認すると、ニヤリと笑う。正矢が不思議そうに彼を見ていると、杉田はメールの返信を打ち込む。 杉田「希原。貴様、明日の午後8時、私の家に来い」 正矢「はあ?!」  杉田はマウスを軽快にクリックする。 杉田「仕事だ」  正矢は呆れて立ち上がると、部屋を出ていこうとする。 正矢「ふざけるな。俺の都合を聞いても無いくせに・・・」 杉田「どうせ、暇で・・・帰りに買う予定のゲームで時間を潰すだけだろう?」  鋭い!・・・正矢は首を振る。
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