第1章

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正矢「聞いてるだろ?俺は明後日の準備で忙しいんだ」 杉田「午前中に終わる内容だと思うが?」  まあ、確かに・・・正矢は黙って立ち止まる。 正矢「何するんだ?」 杉田「私の知り合いの手伝いだ」 正矢「知り合い?何してるんだ?」 杉田「研究家だ」  正矢はピタリと動きを止める。 正矢「有名か?」  正矢にはそこが重要らしい。 杉田「専行分野では著名な方だ」 正矢「テレビに出るほど?」  杉田は少し考える。 杉田「ああ」 正矢「ノーベルもん?」 杉田「結果を出せば」  正矢は少し考えて、振り返る。 正矢「仕方ねーな」  正矢の変わり身に杉田は呆れた。 杉田「貴様のミーハー根性には感心する」 正矢「うるさいな」 杉田「なんの分野か訊かないのか?」 正矢「どうせ、訊いたって俺の理解できない分野だろ?」  杉田は考える。そして、納得したように頷く。 杉田「無理だろうな」  正矢は扉へと向かう。 正矢「明日の夜8時だな。裏に回った方がいいか?」 杉田「表から来い。その方が分かりやすい」 正矢「わかった。じゃあな」 杉田「ああ。気を付けてな」 正矢「お前は担任か?」  正矢は笑うと、そのまま部屋を後にした。杉田は悩むように息を吐く。
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