第1章

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 朝食を用意すると、テーブルに座り、食事を始めた。 理人「今日は何時もより早いな。何かあるのか?」 リタ「理人さん。あれですよ・・・明日から・・・確か、えっと?」 正矢「ゴールデンウィーク」 理人「なるほど」  理人は納得した。つまり、遠足前の子供みたいな感覚だと思われたらしい。あながち間違ってはいないが・・・ 理人「会社も休みにしてある。日曜に本家へ行くか・・・」 リタ「そうですね。正月以来ですし・・・お泊まりもいいかもしれませんね」 理人「後で連絡しておく」  理人とリタは楽しそうに話し出す。正矢はそれを尻目にテレビを見た。  朝の情報番組もゴールデンウィークの目玉レジャー施設について特集している。それは、少し前まであった出来事などなかったかのような平和な内容だ。  正矢はリモコンで他局を映す。  全国系列のテレビ局だが、他局と違い・・・今日は一風変わった主旨の特集だ。 「日本にいる不思議な専門家達」  変わったタイトル。ゲストで並ぶ人も何やら胡散臭い。  ゲストの一人が、息を荒げて熱弁し、観客を失笑させている。いつも笑顔な司会者達も苦笑いを浮かべていた。 正矢「平和な世の中だ」
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