第1章

6/23
前へ
/73ページ
次へ
女司会『あっ、もしかして・・・その恰好、ハリウッドの映画とかを意識しました?』  会場が笑うなか、男は首を振る。 下野『これは、彼らと会話するためです。彼らは、僕達の何処が意思疏通をする際に必要な部位かわかりません。僕は肌を宇宙の闇と同じ黒で隠すことにより、耳や口の居場所を彼らに伝えているのです』  最もらしいことを口にすると、司会者や専門家達も興味を示す。彼らも探求者なのだ。 ゲストA『先程から彼らといっているが、何体も存在するのか?』 下野『そう聞いています』 ゲストB『なんでー又聞きか?』 下野『僕が話しているのはひとりなので、その方から訊いたのです』 男司会『会ったことがあるんですか?』 下野『いえ。まだ会ったことはありません。しかし・・・・・・』  下野は会場のスポットライトを見上げた。 下野『近々会う予定です。機会があれば、皆さんにも紹介します』  会場も下野が作り出す不思議な雰囲気にのまれる。何時になるのか・・・冷やかしや期待が会場の人達に広がった。 正矢「不思議な人だな」  次の専門家に変わる。先程と同じようなやりとりが続く。  正矢は食事を終え、登校の支度をするため、自室へ戻る。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加