揺れる気持ちと秘密のノート

2/6
前へ
/6ページ
次へ
玲美が私に本音を打ち明けてくれた次の日。 「夏希~、数学だな…。」 「…うん」 山口に話しかけられても、私は無愛想な態度をとることしか出来なかった。 だって。 玲美を応援したいから。 …本当のところを言うと、応援なんてしたくないけど。 でも、なんで応援したくないんだろう…。 すると、私の思考回路に山口の声が邪魔をしてきた。 「なぁ、ノート見せて。」 「なんでよ…?」 私が聞くと、山口は居心地悪そうにそっぽを向き、 「んじゃあ、いいや」 と言った。 ―本当は貸したかったんだけどな…。 前みたいに山口の一言が欲しかった。 そう思いながらふと隣を見ると、山口が真剣に何かを書いていた。 (なに書いてるんだろ…?) 凄く気になったけど、難しくて大嫌いな数学の授業だったので、私は後で聞くことにした。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加