第1章

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って聞いても "そんなこと僕が知るわけないじゃないか" って嘲笑うんでしょうね。 いつもどおり鼻で笑って。 こっちに答えを求めるな ってね。 「おれは。鏡潤一は、そんなに面白い奴でしたか?そんなに………」 もう一歩踏み出す。 ザブ と海が唸る。 こちらに来るな と。 そんなに嫌いかよ。 そんなに嫌いかよ。 そんなに嫌いかよ。 そんなに――――――そうりゃあそうか。 こんなに汚い奴。 好きになるはずないよな。 なんて考えたら、なんて思ったら 「っ」 喉が傷む。 ジンジンとヒリヒリと。 「く、あっ」 声が洩れる。 今まで"愛してる"と言ってくれていた恋人は嘘をついていたのだろうか? だったら、だったら、 「くそぉ………」 最悪だ。
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