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「あっ。お帰りアリス」
店の奥に進んで行くとティーセットを抱えたウカレウサギに出会ってここでもお帰りと言われる。
私の家じゃないのにな。
「ただいま。忙しそうだね」
内心そう思っているけど、お帰りと言われるのは嫌いじゃない。
家に帰っても一人暮らしの身だし、こう言ってくれるのはありがたい。
忙しそうに立ち回るみんなを見ながら席に座る。
店の配置はテーブル席が5席とカウンターに6席。
テラスに3席と結構広々とスペースを取ってある。
私の席はカウンターの一番奥。
一番邪魔にならない場所を選んで座っているつもりだ。
「今日は早めだな」
カウンターの反対側では忙しなく紅茶を淹れている帽子屋。
そこが彼の仕事スペースだ。
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