気まぐれ猫とタルト

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「論文もキリのいいところで上がったから。 ほら、昨日は結構遅めになっちゃったし」 基本的に時間を決めて行こうと思ってはいるものの、専攻している学科が思った以上に長引いたり、論文作成をしていると時間感覚が分からなくなってしまい遅くなることも暫しあった。 昨日は特に遅く、駅の所にシロウサギが迎えに来ていたくらいだ。 「迎えなんて来なくても大丈夫だったのに」 「何かの為に備えることは必要だから気にするな。 迎えもその一貫に過ぎない」 素っ気ない言い方だけど、心配してくれてるんだなと思い顔が緩む。 「そう言えば今日はチェシャ猫は?」 私にはひとつだけ気がかりな事があった。 それは調理場担当のチェシャ猫と全くと言うほど話が出来ない事。
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