気まぐれ猫とタルト

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「帽子屋」 裏からチェシャ猫が出てきた。 明るい茶髪に前髪の赤メッシュが彼の特徴だ。 いきなり出てきたからか言葉が詰まる。 「どうした?」 「新作のスイーツ作りたいんだけど、なんかいい案ない?」 スイーツかぁ。 よく考えたらこういうの全部チェシャ猫が作ってるんだよね。 テーブルに並んだ洋菓子を口に入れながら思う私。 無駄に甘くなく、素材の味を生かしているからペロリと食べられる。 「アリス、どんなスイーツがいい?」 いきなり話題を振ってきた帽子屋。 食べていたマカロンで喉を詰まらせてしまった。 何とか喉を通ったマカロンにケホケホと咳をした後、顔を上げるとチェシャ猫が私の顔をじっと見ている。
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