気まぐれ猫とタルト

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「気まぐれ猫だからそこまで気にしなくていい。 シロウサギもアリスをそこまでからかってないで仕事してこい」 はーいと軽い返事をしてシロウサギは仕事に戻った。 はあとため息を付く私の前にスッと一切れのタルトが置かれた。 「えっ?」 タルトを出した手の先を見てみるとチェシャ猫がタルトを持ってきてくれていた。 「さっき試作で作ったタルトだけど良かったら。 後で感想教えて」 そう言ってまた奥に入って行った。 目の前に置かれたタルトはリンゴのタルトのように見える。 さくっと軽い音を立てて切れるタルト。 口に運んだ瞬間、 「これ、梨?」 リンゴとは違う瑞々しさと、甘さが口の中に広がって美味しい。 軽い歯触りのタルト生地も梨の味を引き立ててくれている。
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