アリスと学園祭[当日]

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カタンっ 「ひっ!」 小さな物音にも声をあげてしまう私にチェシャ猫が一言。 「アリス、色気ない」 「う、うるさいっ!怖いもんっ!」 私の悲鳴にダメ出しをするチェシャ猫に反論する私。 ほんとに怖いときにきゃあきゃあ言っていられない。言ってるのはきっとそこまで怖くない人だ。 私にはそんな可愛いげのある悲鳴はあげれずに、ひっ!とか声にならない声しか出ない。 「あらあら、大変ねぇアリス」 驚く私に女王様が笑いながらそう言う。 お化け屋敷で飄々としているチェシャ猫は脅かし役を逆に驚かせてけたけたと笑ってるし。 ようやく出口付近に差し掛かって、ようやく出れると安心したとき。 「きっ!!」 昇降口でゾンビメイクの女の子が出てきてこの日一番の色気ない悲鳴が上がった。
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