涙味のサバの味噌煮定食

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仕事中。 思わずチャコールグレーのスーツを目で追ってしまう。 艶のある黒髪に、筋の通った高い鼻。 黒曜石のような瞳に、薄い唇。 抑揚の無い声が微かに耳に届き、ドキドキする。 早いもので、あっという間に水曜と木曜が過ぎ、金曜日。 そう、決戦の日だ。 一体、どうすればいいんだろう。 何て誘えばいいのかな? うやむやになってしまいそうだし、できたらアルコールの力に頼らずに話したい。 よくよく考えてみたら、今まで仕事を切り離してみれば、私と黒沢さんの間には必ずと言っていいほど、アルコールがあった。
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