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「螳(トウ)様、霽月様がいらっしゃってます」
螳はそんな奴婢の言葉に疑問を持った。
「霽月が?」
「はい。何やら火急の用だとかとかで…」
霽月は螳の兄の子で螳にとっては甥だ。我が甥ながらなかなかに優秀で、将来が楽しみだと思っているのだが、中々本家の方へ寄り付かない。
本当に珍しい。いつもは呼んでも来ないというのに、呼んでもいない時にわざわざ霽月が来るなんて。
「通しなさい」
「分かりました」
火急の用とは一体何なのか、螳は疑問に思いながらも取り敢えず通すことにした。
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