第1章

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けっこう長いしちゃったなぁ~、バーにも行っちゃたし。 でも、楽しかったから、これでいいのだぁ~っと。 キャッ!?とっさに手すりにつかまった。 カシャン、カチャンと何か落ちた音が聞こえる。 危なかった、ははは、ドンマイだ、私。 階段に落ちてしまったデオドラントや化粧品を拾う。 あれ?何これ? 所々に花びらが落ちている、上の階の踊り場まで。 後ろの階段も見ると、同じように所々落ちている。 ぷふっ、ヘンゼルとグレーテルみたいだ。 ぷっ、ふふ、ってそんなに面白くないでしょ。 1人ツッコミを入れたその時、「ガサ」と上から音がした。 なに・・・!? 上の階段の踊り場には誰もいない。 「ガサ、ガサ」と音が近づいてくる。 体が強ばる。 誰か近づいてくる・・・!? (散った花びらが、フロアに残されていったそうです) 突然みうちゃんの言葉を思い出した、頭が冴えていく。 (怒って花束を振り回したそうですよ) 鼓動が大きくなる。 何考えてんの!?関係ないじゃん、今そんなこと!? 「ガサ」とまた音がしたと同時に姿を現した。 (花束を差し出し、付き合って下さいって言ったそうですよ) みうちゃん、ほのかさん、どうしよ・・・!? 私は、齋藤大翔(さいとうはると)くんから目が離せなかった。 両手に花束が入った紙袋を持っている。 「あの」「!?」 逃げなきゃ!!立ち上がるのと同時に体を後ろ方向に変えようとした。 あっ!? 右足のヒールが階段を落ちていく。 手すりに伸ばした手が空を切った。 視界がゆっくり流れた時、ぎゅっと何かに包まれた。 狭まった視界で無数に舞う花びらを捉えながら私は下に落ちていった。
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