第1章

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花の良い香り、!?!?。 自分の頭が胸板に当たっている。肩に腕を回されながら。 「大丈夫ですか?」 ぱっ、と声の方に向く。 そこには、白い粉を顔中にかぶった、スケキヨみたいな顔があった。 「ぎゃあー!?」 ドン!!ぐはっ!?階段の壁に吹っ飛ぶスケキヨ。 し、しまった!? 「スケっ!じゃなくて!は、大翔(はると)くん!大丈夫!?」 「え・・・!?あ、だ、だいじょうぶです」 よ、よかった。いや、よくはないけど。 「えっと、けがはないですか?」 「わ、わたしは大丈夫!」 「そうですか、よかった」 安心して顔をほこらませる。ドキッとした・・・スケキヨ的な意味ではなく。 周りを見渡すと、無数の花束と花びら、そして私のフェイスパウダーが散らばっていた。これか原因は。 「あの、大翔(はると)くん」 「はい?」 「えっと・・・、助けてくれてありがとう。あと、顔粉まみれにして、ごめんなさい」 「あ~、別に良いですよ」 そう言って笑った。 「そ、そう?でもほんとごめんね」 「いえいえ。・・・・・・あの、名前覚えてくれてたんですね」 「え!?」 「あっ!その、自己紹介の時のこと覚えててくれてたんだなぁ~って」 まあ、それもあるけど。 「・・・実はね」 私はバッグから手紙を取りだす。 「それ!?」 「隣人の山本望(やまもとのぞみ)といいます」 「そうだったんですか!?えっと!!・・・や、山本さん!」 「は、はい!」 「今日は、その、すみませんでした!」 「ううん!私こそごめんなさい!」 2人して恐縮する。 「あの・・・、これからもよろしくね。えっと、はるとくん、で良いかな?」 「は、はい!大丈夫です」 「ありがと。じゃあ私も、名前で呼んでもらおっかな」 「名前ですか!?」 「うん。せっかくお近づきになれたし。だ、だめかな?」 「いや!そ、そんなことないです!えっと、よ、よろしくお願いします。の、のぞみさん」 「うん」私は笑顔で返事をした。 「・・・・・・ぷっ、だ、だめ」 「のぞみさん??」 「いや、その、ぷっ、あはははは!」 緊張の糸がほぐれ、私は、はるとくんのスケキヨ顔に笑ってしまったのだった。
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