第1章

5/8
前へ
/8ページ
次へ
夜もふけた頃、ブヒッという鳴き声が聞こえた気がした。やっぱりだ。俺の安眠を邪魔しやがって。明日の朝1番で管理人に通報してやる。まどろむ眠りのなかで俺は決めた。 朝9時に管理人がくるのを待って昨日の話をする。管理人は半信半疑ではあるが、もしそうだとしたら呆れた住人をほおっておくわけにもいかない様子で顔色が変わった。俺が通報したのは言わないようにお願いして俺は出社した。 おりしも、俺が働いているのは大手飲食チェーンで豚丼をメインに最近拡大を続けている。プライベートでも豚に翻弄されるのはまっぴらだった。 帰るころには、すぐに中にいる豚は追い出されているに違いない。 夕方帰ってきてすぐ 管理人に話を聞く。 しかし、逆に小言をいわれた。 「本当にみたんですか?中にまで入って調べましたけどどこにもいませんでしたよ。お父さんとお母さんと可愛らしい女の子が仲良く朝ご飯を食べてましたよ」 そんなはずはない。 「本当に隅々まで探したんですか?匂いとかはどうでした?」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加