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「いや、確かに動物の匂いはしたんですがそれが豚を飼っている証拠にはならんでしょう。実際にいなかったんですから」
「そうですか、すみませんでした」
腑には落ちなかったが諦めることにした。
そうか、女の子がいたのか。
じゃあ、女の子がミニブタブームに乗っかってお父さんに買ってほしいとねだってそのブタが大きくなってしまい、捨てるに捨てられなくて飼ってるんじゃないか。
きっと、管理人に見つからないようにどこかにうまく隠したに違いない。まったく使えない管理人だな。
こうなったら直接確かめるしかないと俺は思った。やれやれだ。仕事も忙しいというのに、それにしても今日もバイトが無断欠勤してたな。今月に入って三人目だな。また、俺の負担が増えてしまった。
すぐに眠りにつくと、隣からまたブヒブヒと聞こえだした。
もう我慢できない。
俺は隣のドアをノックした。
迷惑そうに桜井が出てきた。
「どうしたんですか?こんな遅くに?」
「それはこっちのセリフですよ、おたくで豚を内緒で飼ってるでしょう。ここはペット禁止なんですよ。鳴き声がうるさくて眠れないんで保健所に連れていくとか、殺して食べるとかどうにかしてくださいよ」
俺は怒りにまかせて言い放った。
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