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リビングに入ると、先ほどの少女が服を脱ぎだした。何をしようとしているのかと思い、戸惑っているとなんと服の下から可愛らしい豚が現れたではないか。
言葉を失っていると桜井が話し始めた。
「人間が豚になったのではありません。豚が人間の格好をしていたんです。クローン豚をご存知ですか?中国を始め、日本でも躍起になって開発を進めています。良質の豚が大量生産出来るんですからね。でも、政府にも誤算があった。高度な知能を持ったクローン豚が誕生してしまったんです。人間の格好を真似する事も出来るし、言葉も喋れる。そして、豚のことを平気で殺して食べる人間を極端に嫌います」
「ま、まさか、バイトが連絡つかないのも...」
「中村さん、そんなに怖がらなくていいですよ。私達の目的は人間を殺すことではなく仲間を増やすことなんです」
「それって...」
「簡単ですよ。交尾すればいいんです。母さんいつものようにお願い」
後ろには、さっきまで立っていたお母さんが、いやママブタがいた。
ブヒブヒ~
やめてくれー。
記憶が遠のいた。
「中村先輩、最近あれほど大好きで食べてた豚丼くわないっすね」
「バーカ、俺はベジタリアンなんだブヒッ」
「えっ?今、なんて」
完
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