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――マズイ!!マズイマズイマズイ!!このままじゃ祐希が遠くに行っちゃう!!
「ま、待って!!祐希!祐希は何を…」
「『ラット』」
………へ?
「俺達は、『ラット』…地上に行き場のない、独りぼっちなネズミの群れだよ」
祐希はそう言い残し、フード達と一緒に去っていく。
フード達となにか話しているのか、凄く楽しそうだった。…あんな顔、私だってあんま見たことないのに!!
「待って!!祐希!まっ…」
角を曲がった祐希達を追いかけ…見失う。
嘘!なんで、ありえない!!だっていきなり姿を消すなんて…っ
ガタ…
「…アレ?」
足元に違和感を感じ、視線を下げる。そこには、普段は砂利で埋もれている筈の赤茶けた鉄の蓋、
マンホールだ。
『ラットだ』『ネズミの群れだよ』
……行き当たる、ひとつの可能性。
「……そんなん…追いかけらんないよ…」
私の呟きは、真っ直ぐ下に落ち、赤茶けた蓋に反射して消える。
まるで…祐希と私みたいで…
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