第1章

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顔の横を素通りし、そっと耳打ちをしてくる。 「アンタさ…今後、ボスに近寄らないでくれる?目障り。ボスはボクの…皆の希望なんだ。邪魔をしないでくれるとありがたいな」 少女が喋る度に耳に小さな吐息がかかり、くすぐったい… なんて言っている場合じゃない!! 「………っ!」 左手で少女の肘をはね上げ、拘束を振りほどいて脱出する。少女がつかの間、驚愕の表情をとった。 勢い余って転がりそうになったが、なんとか踏みとどまり…少女にいい放つ! 「ふざけるなっ!!」 よくわからない感情が、胸の内から溢れていた。今日は朝からわけわかんないことばっかだ!!だけど、確かな事がひとつある。 「祐希は私の…岡野澪の弟だ!!アンタらのボスなんかじゃない!!」 「アンタ…澪は、そんな弟の覚悟を踏みにじるんだ?」 心臓が握りつぶされたかと思った。胸が苦しい。息が吐き出せない。
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