第1章

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昔からそうだ。チビで泣き虫で…私がいなければ、すぐに折れてしまう。そういう子だった。 「で、なんの用なの?祐希とはいつでも会えるじゃん。姉弟なんだから」 そんな事より寒いから早く中に入りたい。 「あ、そのことなんだけど…」 瞬間、風が強くなる。風の音に祐希の声がかき消されるのではと思ったが、杞憂だった。 いや、いっそかき消してくれたら良かったのだろう。 「俺、家にはもう戻らないから」 そんな言葉を聴くぐらいなら。
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