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「おはようございます。お嬢様」
アニスは読んでいた本を閉じた。
「おはよう、ジル」
後ろで束ねた長いブロンドの髪、清楚なドレスを着こなしているこの少女が屋敷の主人だ。
アニスはレオンに気付いた。
「珍しいわね」
レオンは朝食に間に合うことがあまりない。まだ眠そうだ。
「うるせーな。おはよう」
三人は長テーブルを囲み席に着いた。
「あれ、じじぃまだ?」
誰がじじぃじゃ、と玄関から白髪頭のゼペルという庭師が中に入ってきた。
ゼペルは席に座った。
「それじゃあ、戴こうかしら」
皆は思い思いにジルが作った食事を食べ始めた。
「うめぇ」
アニスが誇らしげに答えた。
「私の使用人だもの。あなたといい、ゼペルさんといい、私はいい拾い物をしたわ」
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