第1章

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 レオンと鎧の男は互角だった。互いに斬られている。  剣と剣がぶつかり激しく火花が舞う。距離を取り一気にぶつかる。  「強いな、お前」  どこか余裕のあるレオンに、苛立ちを隠せなかった。  「貴様、なぜ手を抜く。侮辱しているのか」  レオンは頭を掻いた。そして。  「悪かったな。お前みたいな強い奴はそう居ないからな。……謝罪のついでに本気を見せてやるよ」  レオンの体から赤い魔力が炎のように吹き出した。魔力は翼へと変わり、レオンの体は宙に浮いた。  レオンは剣を振った。一筋の赤い光が鎧の男を一閃した。  男は倒れた。  「俺の名はジェルド……我々はリューク様の兵だ。……頼みがある」   レオンは頷き、剣をジェルドの首もとに当てた。  「すまない」  レオンは剣の柄に力を込めた。  ジェルドは負けた。リュークに知られれば殺されるのであろう。どうせ死ぬなら、自分を負かせた相手に。ジェルドの意思をレオンは汲み取った。    
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