第 十章 悲しき道化師

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砂漠に陽が昇る頃…… 二機のグランシーカーがオーロラの上空に姿を見せた。 【画像鮮度95%。ニキロ四方に数台の偵察機確認。 イェンシング様の物です。 !! 超高エネルギー反応!! 空間断裂確認!! アルカンフェル様です!!】 空間の裂目から金色のオーラを漂わせたアルカンフェルが現れる。 「ん……アマテラスか…イェンシング……シュペルターも……」 「来たかアルカンフェル……」 ※シュペルター※古代アンノウンの一人。 白髪 長身 細身の暗い紫の肌に知性的な顔立ちの裸体の男。 「この空間断層の羅列は来星者が?」 「その様だな……空間の位相がランダムに変化し 物質だけでなく電子 陽子 その他あらゆる放射線をも遮断している。 私の異能を以てしても透過不可だ。」 「一種の空間障壁か…」 シュペルターは頷き 「位相変位帯とも言うべき障壁だ。科学の究極の域に達している。この星船の主は地球から去った我らの主の科学レベルを遥かに凌駕している……ま……地球に取り残された私達には自分達の主の真の科学力は計れんがな……」 「我が行こう。空間転移は我にしか出来ぬしな……」 「確かに私の知る限りお前のみがこの位相を越える力を持つと思われる、だが……」 二人の会話を遮断する様に位相変位帯の奥から無数の黒光が放たれ一瞬にして地球上の全てのオーパーツ及び超人類的存在に照射された。 「ソープ 行くぞ……コンタクトも無しにスキャンとは……破壊する」 「待てログナー! お前でもあの障壁は越えられん。今唯一のドウターであるお前を失う危険は犯せん……不死身でも星系外に飛ばされてはただ生きているだけの存在となる。」
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