第 十章 悲しき道化師

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暗黒 太陽光の一切届かぬ超深海にイェンシングの星船は存在した。 流体金属にバイオメタルを組み込んだその船体は深海の想像を絶する圧力に50000万年晒されても僅かにすら摩耗せず、飛来した時の状態を保っている。 星船の中心には 青い月 ブルームーンとイェンシングが呼ぶ巨大なエネルギー炉心が有り何万年と尽きること無くエネルギーを供給している。 《重力崩壊と水素爆発の混合タイプの炉心じゃな……中々珍しい…》 「説明されても理解出来ぬ、」 《で あろうな 重力崩壊=ブラックホールの形成過程の現象。ま 良い、それより アマテラスは生きておるぞ…》 「なんじゃと!?あのタイミングでか? 妾はこの異能ゆえ水にさえ接しておれば 爆発した後でも問題無い。 島が爆発する前に気付かれては瞬時に圏外へ離脱されるのは明白ゆえ 敢えて魚雷到達まで妾も島に残ったというのに……」 《前以てスタイルとやらを待機させておったようじゃな……タイムラグほぼゼロ しかもオートで喚装する仕組みでな》 「しぶとい奴め……しかし これで妾はログナーにも狙われる事になる……奴には勝てる気がせん……」 《確かにログナーとやらは イレギュラーな存在よ我が主に取っても :ドウター: 主達の文明が到達した生体科学レベルでも理論上の存在であったらしい》 「ログナーはヌシの主より進化した存在だというのか!」 《生体科学 平たく表現するなら 長寿 不死 と言った精神も含めた生命体としての寿命に関してはな……だが 特定のレベルに進化した文明にとっては 不老長寿など基本よ… 勿論 それに伴う種族的な進化の停滞も克服してな》
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