第11章 祈り

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「イェンシングには私が対処しよう。自ら約束した事柄でもあるしな……ソープ、君はイーサンの意思を確認してくれ……気紛れな奴の性分からして老人に媚びるとは思えんが万が一もある」 「確かに……イーサンには一度会わねばならんな…しかし……イーサンか……正直煩わしい事この上無い」 ソープの言葉を聞いたメフィストは突然立ち上がり 「アマテラス……今回は地球史上最大の危機だ…ログナー イーサン 工藤 アンノウンにして世界最強を誇るこの三人に 宝剣 アルカンフェルを加えても恐らく老人の主には勝てまい……純粋な殺しあいでは無いからな……」 「何を今更……」 「D……」 「D !!! 」 ソープが叫ぶ。 「行方が判ったのかメフィスト!!? 」 「いや……不明だ。」 「確かにDが参戦してくれれば勝率は数%上がる。しかし奴は500年前に忽然と姿を消した……我やお前 宝剣やイェンシング その他巨大な組織と情報網を持つ我々が血眼になり探しても見付からなかった……」 「おそらく休眠しているのだろう……血を吸うのを止めていたからな…… 奴は吸血鬼伝説の発祥、創造主は他生命体の血液を摂取するタイプの種族……その唯一の人類と遺伝的融合成功例がD ……」 ソープは力強く拳を握りしめ気高く心に誓った。 必ずこの星を救うと、今は大宇宙の彼方へと去りし自らの主達に託された使命を果たすのだと…… 「メフィスト……兼ねてよりお前が研究していた例の謎。此度の戦いで明らかになるやもしれぬな……」 メフィストの指がぴくりと動く……… 「我々アンノウンやアルカンフェル D…… その他の超越者達が何故一人の例外も無く地球人類をベースに創造されているのか……人類が誕生する以前に来星した異星人達は地球にその時 存在した生命体に何故実験を施し、調整体もしくはそれに類する存在を作らなかったのか………生命体の知能など如何様にもなったはずなのに……」
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