第11章 祈り

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星船が突如激しい震動に襲われた。 「やはり介入して来たか、アクアリウム。」 メフィストの掌の上の量子核が眩く恒星の如く光を放ち始め、何処からともなく音声が聴こえて来た。 【 ケイヤクシャョ……】 「そうか……奴が封印を……」 【ワタシハスベテノキノウヲ トリモドシマシタ……ケイヤクハカンリョウデス】 「私が一万年懸けても解けなかった封印を意図も容易く……」 エンプレスは古代神でありながら恐怖するとゆう経験も当然持っていた、しかし 畏怖する という感情を眼前の白衣の男から今まさに初めて経験させられた。 「治療は完了した。私以外の者の手に拠り……許さんぞ… バブ・イル…」 そうメフィストがアクアリウムAIに量子核を託され 実験及び星船の研究を許された経緯は 水量子CPUに施された創造主の封印を解くという代償の故であった。 今 老人によりあらゆる制約から解放されたAIは、創造主の思惑を越え自らの思考により活動し始めたのだ。 【 キボウノ コ ヨ… ワタシハコレヨリ コウセイカン ヒコウニヨリ ソウゾウシュ ノ ボセイヲメザシマス】 「主達の母星 ! ! 何処じゃ? 何処に在るのじゃ!」 【コノワクセイノ ブンメイデハ ソノバショヲ アルタイル ト ヨビマス】 「アルタイル星系 ! この銀河の中心に近い星系! しかし 天体観測では生命の住めるような惑星はなかったはずじゃ メフィスト!! 」 「確かに。我等オーバーテクノロジーを駆使する古代神は生命の存在する惑星を長年探している、しかし未だ知的生命体の発見には至っていない」 「我等の観て来た星ぼしは 光速の限界領域によりリアルタイムでの状態ではない……に しても これだけ異星人の足跡を地球上で発見 更に 自らがその末裔である事実からして 未発見は有り得ぬと常々思っておった……」 「惑星間防衛システム」
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