第11章 祈り

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エンプレスが頷く。 「じゃな… 通りで地球に飛来する種族が多い訳じゃ……見放題 無垢な赤子が一人で街中を歩いているのと同じじゃな よく滅びず 植民地化されず今日まで存在出来たものだ………」 「知性は無秩序。思考形態が人間ベースの我らには理解できぬ知性もあるということだ」 余裕を取り戻したイェンシングは、自らの玉座にゆったりと腰掛けメフィストを見下ろした。 「回答不能な議論は終わりじゃ。宇宙(そら)へと旅立つ至高の時……妾への無礼 非礼は不問にする 立ち去れ悪魔よ。」 「……………良き旅を。」 メフィストは振り向き 一度も立ち止まる事なく 星船の流体金属の中に溶けて行く。 「さらばじゃ メフィスト」 (人生は影法師……永遠なる………) メフィストの呟きはついにはイェンシングに聞こえなかった。 一時間後。 亜光速より水重力ワープフィールド飛行へと移行した星船は。 土星付近で爆散し宇宙の塵となった…………
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