第十二章 バブ・イル

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天原が バブ・イルの塔から脱走出来た訳は彼の異能にあった。 自己の存在を相手の認識から消し 更に任意で記憶までも消す能力。 彼がいつ能力に目覚め、そして位相変位帯をいかなる方法を用いて越えたかはまた後に語られる。 記憶消去は塔の真の主やその他例外の極少数の存在には効かぬが、認識阻害は今の所 無効化された経験はない。 異星人やアンノウンにも有効な時点で超特殊・超異常な能力であると云える。 そして姿を消した天原はこれからの事に想いを馳せた。 (奴を叩くのは俺だけでは不可能だ、位相を無条件で越えられるペイン所持者七人全員が第9のチャクラに目覚め さらに最終形態を自由に繰れるようにならねば……しかし其でも恐らく0・01%以下の成功率しか無い……奴の弱点やペインエネルギーの秘密を解かねば無理だ……) 彼は知らなかった。 アルカンフェルの存在を。 マルマルマルが位相変位帯に通り路を創る異能に目覚め、メフィストが地球に存在する特級戦力を送り込もうと意図している事を。 工藤が見た降臨者の遺跡星船の極秘データプールに遺されていたチャクラに関する情報を。 刻一閧と迫る星の死………… 力こそ全て 一人の生命体が駆使する超科学に人類が微塵も抗えぬ非常な現実。 思想 価値観 祈りなぞ無に等しく、神などいない 救いなど無い現実。 されどもがき 抗らう者逹よ…… 諦めず怯まぬ者逹よ……
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