第1章

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「でもさっきのはなかなか好印象だったんじゃない?」 「ホント?そう思う?」 結城からの攻撃に半ば辟易していた僕だけど、結城に肯定的に言ってもらって一気にテンションが上がった。 こと城ノ内に関しては第三者からの意見って今まで聞けなかったから、自分の行動を肯定されると少し自信が持てる気がする。 「わざわざ追いかけてくるくらいだから、城ノ内も嫌な気持ちはしてないと思うよ」 「まさか追いかけてきてくれるとは思ってなかったら焦ったけど、でも急いでるはずなのに追いかけて来てくれてお礼まで言ってくれるなんて、城ノ内ってやっぱりいいヤツだよなぁ」 去っていく後ろ姿もかっこよかったし・・・とうっとりその場面を思い出している僕に『はぁ~』と結城の呆れたような溜め息が聞こえた。 「立花も恋すると普通に乙女になっちゃうんだねぇ。普段は誰彼構わず一刀両断なのにさ」 乙女とか・・・照れちゃうじゃないか。 いや、大の男が乙女とか言われても嬉しいわけじゃないけど、でも・・・好きな相手のことを考えてうっとり乙女思考になるのは仕方ないと思うんだ。だって、好きなんだもん。
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