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「まあ、いいことだよ。誰かを好きになるっていうのはさ。相手が城ノ内っていうのが微妙だけど」
「微妙ってなんだよ!城ノ内はかっこよく僕のことを助けてくれて、ちゃんと気遣いもできる優しいイイ男なんだぞ!」
「・・・はいはい。そういうのを惚れた欲目って言うんですよ」
身を乗り出して熱く語る僕を結城は冷めた視線で見た。
そんな結城の失礼な態度に怒る僕を結城は適当に僕をあしらう。
「攻める相手が難攻不落なほど燃えるものだし、頑張って。僕も応援してあげるから」
なぜだか上から目線の結城に納得いかないけれど、応援してもらえるのは有難いので、僕は『お願いします』と頭を下げた。
少し不貞腐れた言い方だったのは仕方ないと思う。
それに対する結城の返事も『はいはーい』と軽いけど、それが僕達らしい気がして、2人で小さく噴き出して笑ってしまった。
僕の城ノ内への気持ちは結城にも言えないって思っていたけど、言ってしまえばこんなに簡単なことだったのかと少しホッとした。
やっぱり一人で不安になってしまうところもあったから。
こんな結城だけど、その内ではちゃんと僕のことを考えてくれているのを知っている。だから言葉に出して言えないけど、僕は結城を頼りにしてるんだ。
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