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「・・・ホント、これはイケメンと呼ぶに相応しいお顔立ちだ」
「でしょ?そこら辺のイケメンには辛口の立花でも認めちゃうイケメンでしょ!」
僕別に、そこら辺のイケメンさんに辛口だったりしないよ?
口に出さない僕の抗議を感じ取ったのか、結城はフンッと鼻を鳴らしてパックのマスカットジュースをズズズッと飲んだ。
「立花は自分が可愛い・キレイ・カッコイイの三拍子揃いだから、余所のイケメン君達への評価が辛いでしょ!みんながあの人かっこいいね~なんて言っても、『え、別に』とか言っちゃう子でしょ!!」
「・・・そうかなぁ、そんなつもりないけど。しかも僕、別にそんな変な三拍子は持ってないよ」
「これだから無自覚天然は嫌だ。君は見た目キレイ系で、天然っぷりが可愛くて、さっぱりし過ぎた性格がカッコイイって周知の事実として認識されてるってのに」
「えぇ~、そんな事実ないのに」
『はいはい、無自覚天然君は黙ってて』なんて言って、僕の反論を無視する結城は、手元の雑誌をペラペラと捲り始める。
酷い扱いだ・・・結城の方が僕よりもずっと可愛くてお人形さんみたいなのに。
結城に比べれば、僕は至って普通の男子高校生らしい見かけなのになぁ。
納得いかないって顔をしているだろう僕のことは無視したまま、結城はジョーの特集記事を丹念に読んでいた。
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