君を好きになったアップルパイ

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「そういえば、千明くん達のクラスは何を作ったの?」 「ああ、俺達は……」 千明くんはそう言ったところで固まった。 どうしたんだろう? 不思議に思いながら千明くんの目線を辿っていくとそこには空ちゃんが奥村くんと夢咲くんと一緒に何かを売っていた。 空ちゃん……。 前のような元気はなく、それでも一生懸命売っている姿を見た瞬間私は空ちゃん達に近づいた。 「莉愛!?」 莉央が焦ったように声を出すが気にしない。 私が空ちゃん達の前に立つと三人は私を見て固まった。 「お前……」 「久しぶりだね、夢咲くん」 「熊谷く…さん……」 「奥村くんも」 「……何しに来たの」 私の事を見ずに空ちゃんは口を開いた。 話しかけてくれただけでも私達の関係は少なからず良い方に向かっているはずだ。 「三人のお菓子を買いに来たの。それ以外にある?」 そう言うと私の言葉が意外だったのか空ちゃんが顔を上げて驚いていた。 「なんで……」 「だって三人は私の友達だもん」 「私は……!!」 「空ちゃん。いや、ここでは深津くんって呼ばないとね。貴方が私をどう思ってるかなんてどうでも良いよ。私は勝手に友達だって思ってるから」 「なんでそんなこと言えるの?」 「私が単純馬鹿だからじゃない?私は三人と一緒に少しの時間だけでもいられて楽しかったし」 そう言うと空ちゃんは目を見開いてから俯いた。 「……馬鹿じゃないの?」 「そうだよ。だから早くお菓子ちょうだいよ」 笑顔を向けると夢咲くんと奥村くんは顔を見合わせてから吹き出した。 「相変わらず自由だな」 「いつも不自由に暮らしてる夢咲くんとは違うんだよ。片思い王子」 「は!?ちょっ!!馬鹿!!」 「顔真っ赤だよ?」 「お前……っ」 夢咲くんをからかっていると奥村くんが私にケーキの箱を渡した。 ・
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