君を好きになったアップルパイ

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「これ」 「え?」 「来てくれるってなんとなく分かってた」 「奥村くん……」 「この間俺達にモンブラン作ってくれたでしょ?あれ本当に美味しかった。俺達の関係も改善してくれたし」 「改善になった?」 「もちろん。空はどう思ってるか分からないけど、俺は君に会えて良かったよ。君や水瀬くんや如月くんみたいにいつも楽しく笑っていたかった。それを叶えてくれた君には本当に感謝してる」 奥村くんが優しく笑いながら私に箱を押しつける。 「これは感謝の気持ち。みんなで食べて」 「ありがとう!」 私は三人に手を振ると千明くん達の所へ戻った。 「三人からお菓子もらった」 「あのね、莉愛。小さい子供じゃないんだから……」 「莉愛が楽しそうにしてると俺も楽しくなる」 「ちょっと千明くん!千明くんが莉愛を甘やかしてるでしょ!?ダメだよ!!」 「なんか熊ちゃんと莉愛ちゃんの性格反転したよね」 そんな事を話しながら私はもらった箱を開けた。 そこに入っていたのはモンブラン。 めちゃくちゃおいしそう!! 一口食べてみると口の中に栗の味が広がって、とっても美味しかった。 こんなの食べたら、私が作ったあのモンブランは一体……。 でもあれは私だけが作ったわけじゃないし!! みんなの協力があってのモンブランだから!! 誰に言い訳をしているのか分からないでいると突然千明くんに手を引っ張られた。 「莉愛」 「何?」 「ちょっとこっち来て」 そう言われて千明くんについて行く。 莉央達は私達に気がついていないようだった。 空き教室に入って千明くんと二人きりになる。 なんか緊張してきた。 ・
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