パティシエール専門学校へいざっ!

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「なぁ?お前、本当にあの『小動物』なわけ?」 「え!?そ、そんなの……っ」 どうしよう どうしよう どうしよう!! 早速大ピンチ起こしたよ、私!? ダラダラ流れる汗を拭う事も出来ずにただ目の前にいる極上スイーツ男子から目を逸らす。 いや、もう、本当に……。 いきなりこんな状況で申し訳ない。 始まりを説明させて下さい。 私は熊谷 莉愛(くまたに りあ)、極々普通の女子高生だ。 ただ……、すこーしだけヤンチャなだけで……。 うん、ごめんなさい、嘘はつかない。 俗に言う『ヤンキー』とかいうものだ。 ちょっと運動神経が良くてね? オマケに空手黒帯だったりして……。 学校とか周りからは『熊姫』って呼ばれてる。 酷いよね? 女の子につける名前じゃないよ。 まぁ、そんな私には双子の弟がいるの。 名前は熊谷 莉央(くまたに りお)。 この弟が、顔はそっくりだけど性格が似てなくて……。 可愛いものが好きで、フワフワしてて、おっとりしてて、とにかく平和主義。 まさしく女の子みたいなの。 すっごく可愛いから私も親もつい甘やかしてしまうっていうか……。 で、だ。 この弟が全ての元凶なの。 ──────────────────────………… 「お願い!莉愛!!一日だけでいいから、僕と入れ替わって学校に行ってほしいんだ!!」 「なんで!?」 「実はね?好きな人が……できて……っ」 恥ずかしそうにクッションで顔を隠す莉央。 突然の告白に飲んでた炭酸飲料を噴き出す私。 私は口を開けたまま莉央を見つめた。 .
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