パティシエール専門学校へいざっ!

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「これからしばらく莉愛ちゃんが来るんでしょ?」 そう耳打ちされて私は変な顔をした。 「はあ!?」 「だって水瀬ちんのお父さんに目をつけられたのは熊ちゃんじゃなくて莉愛ちゃんじゃん。まさかこのまま熊ちゃんと元に戻ってもいいって思ってる?そんな事したら熊ちゃんがどうなるかなんて、双子なんだから分かってるよね?」 そう言われて青ざめる。 それもそうだ。 このまま莉央と元に戻ったら、確実に莉央がお父さんにイビられる事になる。 そしたら莉央は…… 『莉愛の馬鹿ー!!嫌いー!!』 と言って泣きながら私をポカポカ殴ってくるだろう。 ……それはそれで可愛いが。 いや、でも莉央に嫌われるのは絶対やだし……。 「……莉央に説明するの手伝ってくれる?」 そう言うと如月勇気は笑顔で頷いた。 絶対面白がってるけど気にしない。 今度こそ帰ろうとすると今度は水瀬千明に捕まった。 「小動物」 「にっ!?」 「に……?えっと、これ」 そう言って水瀬千明が私に差し出したのはクッキーシュークリームが入った紙袋。 「これって……」 「お前の姉貴が好きそうなんだろ?持って帰れよ」 「え?」 どうして私? 不思議そうにしていると水瀬千明がフニフニと私の手を触った。 「千明くん?」 「……お前の手って、こんな柔らかかったか?」 「え?」 「なんか、女みたいな……」 「!?」 慌てて水瀬千明から手を引っこ抜くと私は紙袋を抱えた。 「こここ、こんな手だよ!?それよりこれありがとう!!莉愛も喜ぶよ!!またね!!」 そう言って私は水瀬千明から離れるように駆け出した。 .
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