パティシエール専門学校へいざっ!

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あっぶねー!! そう思いながら立ち止まる。 その後ろに如月勇気がきた。 「水瀬ちんから貰っちゃったね」 「え?」 「まさかここに会いたくて仕方ない子が居るなんて、水瀬ちんも思ってもみないだろうなー」 「は?何言ってるの?」 「んー?内緒ー」 ニヤニヤしている如月勇気を睨みつけてため息をつく。 それから家路を急いだ。 「帰って来たはいいけど、莉央まだ帰ってないし」 「ねぇ莉愛ちゃん。ここ熊ちゃんの部屋?なんか想像してたより男の子っぽい部屋だね。超汚い」 「私の部屋だよ!!悪かったな、汚くて!!男っぽい部屋で!!」 「あ、やっぱり莉愛ちゃんの部屋かー。納得」 「納得すんなよ!!」 物事を簡単に口にするというのも考えものだ。 如月勇気に悪気がなくても殴りたくなる。 「なんでまだ帰ってないの?いつもは莉愛ちゃんの方が先に帰って来るんだよね?」 「まぁね。私の方が学校近いし。あ、でも私にバイトが入ってる時は私の方が遅い」 「バイト?」 「うん。柚葉と一緒にしてて……」 そう考えてハッとした。 そうだ。 今日、バイトの日じゃん!! 「どうしよう!!もしかして莉央、バイトに連れてかれた!?」 「え、何?そんな変なバイトしてるの?」 「してるわけないでしょ!!レンタルショップでバイトしてんの!!」 「なら大丈夫じゃない?」 「あの莉央が、出来ると思ってんの?あんた」 そう言うと如月勇気は固まった。 それからニコニコして「無理だね」と言った。 「莉央ってば超箱入りだから働いた事ないの!!それなのにいきなり……」 「やっぱり今日入れ替わるべきじゃなかったんじゃない?」 「私のせいじゃないから!!」 .
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