パティシエール専門学校へいざっ!

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「まぁ……。莉愛にお願いしたのは僕だし、僕も言うこと聞く」 「莉央っ!」 抱き着こうとすると莉央に顔面を両手で押さえられた。 「だけど!お願いだから『僕らしく』振る舞うって約束して!!喧嘩腰になんてならないで!!いい?」 「うぐ……っ。努力します……」 そう言って正座する。 そんな私達の所にお兄ちゃんがやって来た。 私にはお兄ちゃんが一人いる。 身体が弱くて、でも頭が良くて、優しくて、私を嫌ってないお兄ちゃん。 熊谷 紫月(くまたに しづき)。 見た目は儚げ美男子だけど……。 「莉愛ー!!本物の莉愛ー!!」 こうやって抱き着いてくるの本当に恥ずかしいからやめてほしい。 「お兄ちゃん!!莉央の友達いるから離れて!!」 そう言うとお兄ちゃんは如月勇気に笑顔で会釈するだけで私から離れない。 学校でもこうやって抱き着いてくるから注目の的だ。 本当に恥ずかしい。 「今日学校で抱き着いたら莉央だったから驚いたぞ?入れ替わるならお兄ちゃんに一言くらい言ってから入れ替わりなさい」 「入れ替わる事はいいんだ……」 「莉央だと加減して抱き着かないとダメだろ?」 「私の時は全力で体当たりだもんね」 そう言ってため息をつくと私はお兄ちゃんを引き離した。 「で、お兄ちゃん。私、しばらく莉央と入れ替わるから。莉央の事よろしく」 「莉愛は!?」 「だから入れ替わるって言ってるでしょ?」 相変わらずお兄ちゃんは目をすぐ潤ませる。 こういうのは本当に莉央と同じだ。 「もういいでしょ?話しは終わり。如月勇気バイバイ」 話を切り上げて3人を部屋から追い出す。 それから私はため息をついた。 さて、これからどうしよう……。 不安だけが募るまま、私の莉央としての生活が始まった。 .
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