パティシエール専門学校へいざっ!

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「す……好きな人……?」 「うん……っ」 「その……。莉央の好きな人は、私の行ってる学校にいるの……?」 「うん……っ。莉愛もよく知ってる子……っ」 クッションからチラッと私を見る莉央。 私がよく知ってる人? そんなの沢山いすぎて分からない。 ポカンとしていると莉央が恥ずかしそうに私を見ながら続けた。 「莉愛の友達の……柊さん……っ」 「え!?柚葉の事!?」 柊 柚葉(ひいらぎ ゆずは)は私の親友。 莉央みたいな可愛い雰囲気で女の子っぽい、The 女子。 確かに見た目も可愛くてモテモテだけど、柚葉はとてもドジで天然だ。 告白されているのに気付かないという、漫画の世界でしか見た事ない展開を見せてくれる。 「柚葉は……、難しくないかな……?」 莉央にそう伝えると莉央は首を横に振った。 「告白したいとか、付き合いたいとか、そういうのじゃないんだ。ただ、柊さんの側に居てみたいっていうか……」 「だったら入れ替わらなくても私が柚葉を家に呼べば済む……」 「そうじゃないの!もぅ!!」 怒って頬を膨らませる莉央。 可愛い。 今すぐ撫で回したい気分だ。 「莉央がしたい事がよく分からないけど……。1回だけでいいならいいよ?」 そう言うと莉央の顔が明るくなった。 また私は莉央に負けた。 この笑顔が見たいから言うこと聞いちゃうっての、やめないとなぁ。 ため息をつきながら、喜ぶ莉央を見て微笑んだ。 そして、その入れ替わりは次の日から始まった。 髪の毛は同じショートカットだし、顔は元々同じだし、制服を替えて鏡を見れば、私はどこからどう見ても『莉央』だった。 これなら誰にも分からないかも……。 部屋を出てリビングへ行くとお母さんが私を見た。 .
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