パティシエール専門学校へいざっ!

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なんだ、この漫画の世界にしか生息してなさそうなイケメンは。 いや、待て。 私の隣に座るって事は、コイツはもう一人の莉央の班のメンバー。 確か…… 「千明……くん?」 「なんだよ、小動物。そんな不思議そうな顔して」 合ってた!! 水瀬 千明(みなせ ちあき)とかいうヤツで間違いない。 有名なパティシエールの息子だとか莉央が言ってたような気がする。 そんな事は私にはどうでもいいが。 「変な小動物。てか、そこのバカはなんでそんなニヤニヤしてんだよ」 「えー?なんでもないよ?」 「はあ?お前らなんか今日変」 ギクッとして青ざめる。 「へへへ、変じゃないよ!?」 「なんでそんなキョドってるわけ?」 「怖い映画のせいだよ!!」 水瀬千明から顔を逸らすと如月勇気と目が合った。 なんでこんなニヤニヤしてんの、コイツ。 不気味になって如月勇気からも目を逸らす。 左右から視線を感じながら私は俯いた。 まぁ、当然といえば当然なんだけど……。 ここはパティシエ専門学校。 授業はもちろんお菓子作りに決まってる。 でも少し待ってほしい。 私、今までお菓子作りなんてした事ありませんけど!? 目の前に並べられた白い粉(小麦粉)と黄色い固形物(バター)。 それから見た事ない道具たち。 私はただただ青ざめた。 .
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